出演者からのメッセージ

中村福助(演出) 長年にわたって“卑弥呼”というテーマを温めてきた歌舞伎俳優の中村福助は、演出を手掛けます。「この公演が実現することとなりましたのも、皆さんと思いを共有できたからです。卑弥呼の舞は、いわゆる歌舞伎踊りではない、まったく新しいものになります」(中村福助)
常磐津文字兵衛(中棹三味線) 日本の音楽史は、仏教の聲明(しょうみょう)に始まり、雅楽や能、そして三味線、箏といった流れで、洋楽が100年前にほぼ定着しますが、日本の伝統音楽には音楽(楽器)を一堂に会して合奏する概念はありませんでした。今回のような合奏は 世界初。「西洋と日本の音楽、時代を超越した楽器が一堂に集まり、“新しい音”を紡ぎだすことになります」(常磐津文字兵衛)
大谷康子(ヴァイオリン) 映像や派手な舞台装置は用いないシンプルな演出です。奏者と舞踊家が客席で奏で、舞うシーンも用意されていて、ホールの空間すべてが祝祭空間となります。「さまざまなジャンルの素晴らしい共演者の方たちとご一緒できることを楽しみにしています。“卑弥呼”というテーマは、私たちに夢とロマンを抱かせてくれます。日本人の心に宿る古代への思いを描くように、卑弥呼を奏でます。おおらかで自由な時代にさかのぼって、客席の皆様と祝祭劇を共に創り上げる感動を分かち合いましょう」(大谷康子)
菅野由弘(作曲・指揮) この作品では、開闢-天地の別れし時、誕生、祝祭、日 -月に隠れて、月に祈る、復活…という一連の物語がスケールの大きな音楽と舞によって描かれます。「月に隠された卑弥呼が、月への祈りによって復活し、呼び戻される。芸術の力で新しい希望への扉を押し開き、すべての人の心の復活を願って、作曲しています。現代に生きる我々も日本の芸術の原点に帰り、東北の復活、日本の復活を願って、新たな芸術を創造しようではありませんか。音楽と舞踊、舞台芸術の力によって、新しい希望に満ちた世界を呼び戻しましょう」(菅野由弘) 中村児太郎(舞踊) 本作で卑弥呼を舞うのは、中村福助の息子、歌舞伎俳優・中村児太郎です。「父と相談しながら、父の卑弥呼像を自分の中に落とし込み、私なりの卑弥呼像を作り上げて体現したいと思っています」(中村児太郎) 音楽で卑弥呼を奏でる大谷と、舞で卑弥呼を演じる児太郎、音楽と舞踊、どんな形で卑弥呼が舞台に現れるか、お楽しみに!