ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮) Herbert Blomstedt,Conductor
スウェーデン人の両親のもと、アメリカに生まれる。ストックホルム王立音楽院で音楽を学びはじめ、ウプサラ大学に進んだ。さらにジュリアード音楽院で指揮、ダルムシュタットの夏季講習で現代音楽を、バーゼル・スコラ・カントルムでルネサンスおよびバロック音楽を学んだ。また、タングルウッド音楽祭でイーゴリ・マルケヴィチ、レナード・バーンスタインの薫陶を受けた。
1954年2月、ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団を振って指揮者としてデビュー。オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、デンマーク放送交響楽団の首席指揮者を務めた。1975年にシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就任。1985年までの間にヨーロッパ20か国およびアメリカ、日本を訪れた。その後も同オーケストラと緊密な関係を保ち、2007年には栄誉金章を授与されている。
1985~95年まで音楽監督を務めたサンフランシスコ交響楽団からは、桂冠指揮者の称号を贈られている。音楽監督在任中は、ヨーロッパの主要ホールやエディンバラ、ザルツブルク、ミュンヘン、ルツェルンなどの著名音楽祭にたびたび出演し、高い評価を受けた。1996~98年にはハンブルク北ドイツ放送交響楽団の音楽監督を務めた。1998年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の音楽監督に就任。2005年まで務めた後、現在も名誉指揮者として定期的に指揮している。その他、NHK交響楽団、デンマーク国立交響楽団、スウェーデン放送交響楽団、バンベルク交響楽団からも名誉指揮者の称号を贈られている。
もちろんそれ以外にも世界の代表的なオーケストラに客演してきた。これまでに指揮した主要なオーケストラには、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、バイエルン放送交響楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、モントリオール交響楽団、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンジェルス・フィルハーモックなどがある。ウィーン・フィルへのデビューは遅く、2011年である。この初共演に続き2012年7月にはツアーが、2013年10月にはウィーンでのコンサートを指揮することが決まっている。
レコーディングは広範にわたり、シュターツカペレ・ドレスデンとベートーヴェンおよびシューベルトの交響曲全曲を含む130曲以上の録音があるほか、デンマーク放送響とはニールセンの管弦楽作品全曲を録音している。サンフランシスコ響では、もっぱらデッカで録音を行った。数多い録音の中には、主要な賞を受けたものも多い。シベリウスとニールセンの交響曲全曲は必聴盤と見なされている。
ゲヴァントハウス管とは、複数のレーベルに録音がある。デッカには、ブラームスの交響曲第4番、ブルックナーの交響曲第9番、ヒンデミットの「シンフォニア・セレーナ」と「世界の調和」、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲、R. シュトラウスの作品など。ドイツ・グラモフォンには、サンドストレム「ハイ・ミサ」、RCAにはメンデルスゾーン「エリア」などがある。ドイツのクヴェルシュタントは、1998~2005年にかけてのライプツィヒでのライブ演奏を収録したボックスをリリース。また、ブルックナーの交響曲全曲録音が続けられており、すでに第5番、6番、7番、8番がリリースされて称賛を浴びている。
2007年には80歳の誕生日を祝い、数々の名誉博士号を受けている。2012年には85歳となる。王立スウェーデン音楽アカデミー会員。2003年にはドイツ連邦功労十字章を授与された。