2010年11月27日(土) 13:00

第18回　福岡県文化賞　贈呈式＆記念イベント

※このイベントは終了しました。

福岡県文化賞は、県民のみなさまの幅広い文化活動を促進し、文化の向上・発展を図るため、広く文化の振興に顕著な功績のあった個人や団体を表彰するものです。
今年の福岡県文化賞は、創造部門を作家の葉室麟氏、社会部門を庶民生活史研究家の堀切辰一氏、奨励部門を能楽師和泉流狂言方の野村万禄氏が受賞されました。
贈呈式＆記念イベントでは、受賞者によるトークセッションと能楽公演、弦楽四重奏団によるミニコンサートを開催します。

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≪プレイベント開催≫
第18回　福岡県文化賞 受賞記念展
開催期間／11月22日(月)12時～18時
　　　　　　　　　23日(火・祝)10時～18時
　　　　　　　　　24日(水)10時～17時
入場料／無料
会場／アクロス福岡２階　交流ギャラリー

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概要

プロフィール

• 

  創造部門／葉室 麟(作家)

  新聞記者を経て、５０歳を過ぎてから本格的に歴史時代小説を書き始め、平成１７年に歴史小説「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞し、文壇デビューする。平成２０年より３回連続で直木賞候補となり、注目を浴びる。
  　丹念に史実を掘り起こす誠実な姿勢で作品に取り組み、史実に基づきながらも、創造性豊かに物語を書き上げている。和歌や漢詩も織り交ぜ、端整で分かりやすい文章で読むものを惹きつけている。
  地元福岡県朝倉市の秋月を舞台とした「秋月記」では、江戸時代初期に福岡藩から別れた秋月藩の支藩としての悲哀が巧みに描かれている。人間は歴史的経過の中で存在し、歴史の中で人は孤立しないという考えのもと、人間の生きる意味を問いながら作品を発表し続けている。
  　久留米市に在住しながら創作活動を続け、作品を通して福岡の文化を伝えるなど、本県の文化振興に大きく貢献している。

• 

  社会部門／堀切　辰一(庶民生活史研究家)

  全国に埋もれていた庶民の衣服（主に野良着や普段着）類等を発掘・収集する一方、衣服類等の布から見えてくる庶民生活の実態を追求していくという独自の研究分野を拓いた。
  そのような研究は、染織家や研究家に影響を与え、高い評価を受けている。氏の研究対象は古い衣類等であるが、布がたどってきた歴史をひも解き、その中に日常使用しているものに対する人間の姿勢や価値観を見出し、人間の歴史をも伝えている。
  また、資料の保存にも積極的で、収集した資料のうち約３，５００点を博物館に寄贈（一部納入）するとともに、その個々の資料に独自の解説をつける作業を続けており、それらの資料は、将来的に貴重な庶民生活史の資料となるものである。地元豊前小倉の特産品であった「小倉織」においては、資料収集・研究に尽力し、他の専門家の研究の足がかりとなった。
  長年にわたる地道な研究や収集活動とそれらの研究に基づく著作や講演活動により近代庶民の生活文化を現代の人々に広く伝えるなど、氏の活躍は、地域文化、歴史文化の解明に多大な貢献をしている。

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  奨励部門／野村　万禄(能楽師和泉流狂言方)

  福岡市に在住し活躍する日本を代表する能楽師の一人であり、重要無形文化財総合認定保持者である。
  ７歳で初舞台を踏み、その後次々に舞台を経験し、既に奈須与市語、三番叟、釣狐、花子、木六駄などの狂言の大曲を演じている。日本が世界に誇る能楽（ユネスコ無形文化遺産）は、厳しいしきたりや慣習がある世界であるが、その中で伝統芸能の枠にとどまらず、クラシックアンサンブルやピアノとの共演、現代劇、大河ドラマ、ＣＭへの出演など幅広く活躍し、現在年間約１００公演に出演している。
  平成９年に福岡を活動の拠点と定め、九州５県に稽古場を開設、学校教育と連携した狂言のワークショップの開催など、一般にも門戸を開き後進の育成と普及に取り組んでいる。また、日本政府の文化使節公演や海外からの招へい公演など、国内外における文化の相互理解や交流にも力を注いでいる。
  このような氏の活動は、伝統芸能に新しい風を吹き込み、本県の伝統文化の振興に貢献しており、これからのわが国の能楽界を担う存在として、今後ますますの活躍が期待される。

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