オーストリア・ハンガリー・ハイドン・フィルハーモニー公演レポート
ハイドン没後200年の今年、
「ハイドン・イヤー シリーズ」の最終回を締めくくる注目の公演。
演奏前には指揮者のアダム・フィッシャーさんと楽団員の森川さんのトークが行われ、マエストロが指揮者を目指した思い出話なども交えながら、和やかな雰囲気の中で公演は始まりました。
前半は今回のハイドン・フィル日本ツアーのために作曲されたハイドンの庭。作曲家の柿沼唯さんの言葉によると『「交響曲の父」に敬意を表し、ハイドン後期の楽器編成と楽器法を踏襲しながら、その響きに「日本」を投影した』というこの曲。柿沼さんご本人も会場にお越しいただき、多くの拍手につつまれた初演となりました。
そしてご存知「告別」。
テレビ等で見たことはあっても、その演奏を生で聴いたことはなかったとおっしゃるお客様が多かったようですが、その演出に皆さん大喜び。ユーモア溢れる人間味を持ったこの曲に、客席からも思わず笑い声がこぼれました。
そして後半は元ウィーン・フィルのハンス・ガンシュを迎えたトランペット協奏曲に、交響曲第104番「ロンドン」。小編成のオケとは思えない素晴らしい響きとその音色に、会場全体が温かく包まれました。
最後のアンコールでも、こっそり客席から演奏するサプライズが!
この公演を聴いて、ハイドンの印象が変わったというお客様も多かったようです。
ハイドンの魅力、そしてアダム・フィッシャー率いるハイドン・フィルの魅力を十分に満喫できる公演だったのではないでしょうか。
マエストロが言っていたように、2032年のハイドン生誕300年の年にまたアクロスでお会いできるといいですね。
I.S.