チョン・キョンファ/鄭 京和(ヴァイオリン) Kyung-Wha CHUNG,Violin
当代屈指の演奏家として世界中にその名を馳せているヴァイオリニスト、チョン・キョンファは、豊かな感性と完璧なテクニックをもって、素晴らしい演奏を聴かせている。
音楽を愛する家庭に生まれたキョンファは、ニューヨークのジュリアード音楽学校で巨匠イヴァン・ガラミアンに師事、また後にヨーロッパではヨゼフ・シゲティの薫陶を受けた。1967年、エドガー・レヴェントリット国際コンクールで第1位となり名声を高める。その後1970年、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団との共演でヨーロッパ・デビュー。プレヴィン、ショルティ、テンシュテット、ムーティ、ハイティンク、マゼール、バレンボイム、アバド等の指揮のもと、世界各地で一流のオーケストラの演奏会に登場している。リサイタルでは、ピアニストのルプー、ツィメルマン、フランクル等と共演、弟で指揮者兼ピアニストのチョン・ミョンフン、姉でチェリストのチョン・ミョンファとはチョン・トリオを結成し、演奏会やレコーディング、麻薬撲滅の親善大使として活動した。
ヴァイオリンの巨匠として、高度な技術と力強く熱い芸術性、繊細な表現力を兼ね備えたキョンファは、日々たゆまぬ努力を惜しまず今日に至るが、ロスアンジェルス・フィルハーモニックとの共演や2004年8月の日本と韓国でのチョン・トリオ公演を大成功させた後、2005年9月のゲルギエフ指揮キーロフ劇場管弦楽団の韓国公演を指の故障で降板して以来、演奏会から遠ざかっていたが、2011年12月、6年間のブランクを経て演奏活動を再開。“She is Back!”と銘打ったその素晴らしいステージに、満員の観客は拍手喝采であった。また待望の新録音もデッカと再契約をし、「バッハ:無伴奏ソナタとパルティータ全曲」をはじめ「モーツァルト:ソナタ全曲」などのレコーディングも着々と進んでいる。
毎夏、韓国の江原道で開催される “Great Mountains International Music Festival” の芸術監督としても活躍している。