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匠にであう
第14回 博多織・草木染め — 伝統の技を生かし、博多織の可能性を広げる
工芸品イメージ
▲帯や着物のほか、草木染めのストールなども展示・販売されている博多織献上館
匠イメージ

▲西村 照子さん

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▲桜や柿など天然素材にこだわった草木染め。ふんわりとやさしい色に染まる

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▲博多織の技術を結集して織られた純白の布地は、上品で驚くほど鮮やか

博多が誇る伝統工芸「博多織」献上博多帯の名で広く知られ、その歴史は約760年と言われている。この伝統技を生かし、草木染めした博多織で、さまざまなファッションアイテムづくりに取り組んでいる工房がある。博多織メーカーの老舗が展開する「Shino 紫野工房」を筑紫野市を訪ねた。

手に取るとふわりと軽く、柔らかな肌触りは絹織物ならでは、「Shino 紫野工房」で作られているのは、天然素材と天然染料にこだわった、草木染めの博多織だ。ストールや帽子、洋服などさまざまなアイテムが人気を呼び、博多織の新しい可能性を広げている。

博多織メーカーの老舗、西村織物株式会社が工房を立ち上げたのが約10年前。「織り屋」の技術を生かし、新しい分野に取り組もうという試みだった。帯に替わるものをと試行錯誤していたが、「試し織りをした帯を何気なく首に巻いてみたところ、これはいけると感じた」と、工房の育ての親である西村照子企画部長。こうした偶然から博多織のストール作りは始まった。

織りには自信があった。しかし、創業約150年の技術で挑んでも、帯とストールではずいぶん勝手が違う。柔らかさを出すまでには大変な苦労があったそうだ。
また、素材の絹に合わせ、染めも天然の草木染めにこだわった。幸い、工房近くの福岡県工業技術センターで染めの基礎を、その後専門家の指導でさらに技術を磨いた。

染料の材料は、桜、ざくろ、栗、藍など。工房ではちょうどシフォンのように繊細な生地が、淡い桜色に染められているところだった。オリジナリティが高いと評判の博多織のストールは、県内の百貨店などで手に入るが、昨年7月、西村織物の敷地内に完成した「博多織献上館」でも展示・販売されている。色落ちなどには重ね染めを施すなどのアフターフォローも行い、


博多織の美しさを生かしたウエディングドレス

さて、博多織といえば厚手の帯というイメージが強いかと思うが、このほど完成した博多織のウエディングドレスが、話題になっている。中小企業庁が進める「JAPANブランド育成支援事業」を受け、地元でも盛んとなった、博多織の魅力を世界へ発信する試みの一環である。西村織物では伝統の献上柄を織りこんだものなど、さまざまな生地を織った。一見、博多織だとは気付かないのだが、漂う気品は伝統の技とモダンなセンスの結晶。思わずため息が出る美しさだ。

「完成したドレスを見たときは感動しました。オリジナルの柄を織り込むこともできす、
世界でたった一着のドレス。今後も力を入れていきたい」と西村さん。
高級なシルク生地として注目を集めた博多織。可能性の今後が、ますます楽しみである。
(文・井上範子)

お問い合わせ

お知らせ

西村織物株式会社
(博多織献上館)

TEL:092-922-7128
FAX:092-925-2925

遥かなる夢 博多織ストーリー
2008年5月27日(火)〜6月1日(日)
博多織の帯や着物はもちろん、草木染めのストール、また伝統の献上柄を織り込んだウエディングドレスも展示。会場では草木染めの体験もできます(有料)。

いのうえ・のりこ

知っているようで、まだまだ知らない、わが町福岡。キラリと光る郷土の技もその一つ。
この新鮮な感動を毎号皆さんにお届けします。今日は一体、どんな匠に出会えるのかな?

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