星野焼 - 受け継がれる伝統 - アクロス福岡
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受け継がれる伝統

星野焼

星野焼
▲イラスト・有馬沙里 ▲星野焼

風の音、星の声が聞こえそうなほど静謐な自然に囲まれた星野村。江戸時代には久留米有馬藩の御用窯だった星野焼は、お茶どころという土地柄から茶壺や茶道具の名品を多く生み出してきた。しかし、土が特に高い技術を要する難しい性質であったことも影響し、明治27年に廃窯。これを昭和44年、80年ぶりに再興させた人が山本源太さん(第16回福岡県文化賞創造部門受賞者)だ。

「鳥取生まれで伊勢で修業をし、その後小石原で陶工をしていた私には、星野焼は全く無縁のものでした。しかし小石原で初めて星野焼の作品を見たときに、自分は陶芸家としてこういうものを作りたい、と強く思ったんです。星野という素敵な名前にも一瞬で惹かれました。とはいえ、廃窯して長く、当時は陶芸用の土の販売などもされていない時代。見知らぬ土地で新しく窯をスタートさせるというのは、大変でしたね」

まず、大きな特徴を持つ星野焼の土を探すことから始まった。山本さんは雨後の水たまりにできた泥の層を指先に取り、ときには舐めたりしながら丹念に調べていった。その結果、酸化鉄を多く含む特有の土を見つける。村の人々に協力してもらい、リヤカーで土を運び、何度も失敗を繰り返しながら、ついに再興を果たすのだ。その後、酒や茶を注げば金色に輝くという幻の「夕日焼」の復元にも成功した。

「祭りや掃除に積極的に参加したり、ご飯を作っておばあちゃんたちをもてなしたりと、まず村になじむことも重要でしたね。芸術家然とした態度で生みだすのではなく、この村の清らかな空気を作品に生かしたかった。星野のお茶が最高に美味しくいただける茶器や花器、食器・・・普段の生活に自然になじむものを作り続けたいと思います。そしてぜひ、星野村の素晴らしい環境を楽しむためにも、実際に工房に遊びにいらしてください」

(文・上田瑞穂)

  • 源太窯
    福岡県八女市星野村10471
    TEL:0943-52-2188