武蔵寺〜筑紫野市〜 - 風景ふくおか - アクロス福岡
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風景ふくおか

武蔵寺〜筑紫野市〜

天拝公園藤原虎麿のモニュメントと四阿づくりの水上ステージ。親水性に富み、季節の花々を楽しめる。
武蔵寺は7世紀なかば藤原鎌足の子孫、藤原虎麿によって創建されたと伝えられる古刹である。九州最古の寺といわれている。

喧噪に充ちた県道31号線(通称5号線)から西に向いて徒歩でも5分程度。県道を挟んで反対側にある二日市温泉街からでも、地下道をくぐって行くことができるので、県道によって遮断された感覚なく辿り着ける。意外なほど、街のすぐ近くに在る。

武蔵寺の手前には、つつじ、花菖蒲、しゃくなげなど季節の花々を愉しむことの出来る天拝公園が整備されており、その奥にある寺の山門を見通すアプローチ空間となっている。

山門を先に進むと、木々の深い緑に囲まれ、外界とは隔離された境内が広がる。樹齢1300年といわれる「長寿の藤」が藤棚を覆い尽くしており、4月下旬から5月上旬には藤まつりが開催される。

境内の脇には菅原道真が身を清めたと言われる「紫藤の滝」がある。境内を取り囲む木々の葉擦れの音に、遠くにこの滝の落水音がかすかに聞こえ、決して大きいとは言えないこの空間に深い奥行きを感じさせる。

この地に伝わる伝説によると、藤原虎麿の娘、瑠璃子姫が大病にかかった時、夢でみたお告げに従った場所に温泉を見つけ、入浴させると病が治ったという。この温泉が現在の二日市温泉の始まりとされる。

眼前に仰ぐ天拝山は、その山頂で菅原道真が自らの無実を訴え続けたとされる山である。

また、武蔵寺周辺をはじめ、市内には大伴旅人をはじめ万葉から近代の歌人・作家の歌碑が点在する。

それらいにしえの浪漫に思いを馳せながらこの武蔵寺の境内に佇むとき、この風景空間は「観る風景」ではなく、遙か時間の流れを感じながら「居て、同化する風景」、そう思えてくる。


県道31号線から東に入ってスグの、民家のような食事処。お手頃価格で上品な昼の定食で憩いのひととき。右は天拝公園藤原虎麿のモニュメント。
▲県道31号線から東に入ってスグの、民家のような食事処。お手頃価格で上品な昼の定食で憩いのひととき。右は天拝公園藤原虎麿のモニュメント。

  • お問い合わせ

    筑紫野市観光協会
    TEL:092-922-2421
  • お知らせ

    天拝山観月会
    会期:2007年10月26日(金)
    場所:天拝公園

  • 絵  ほあし・よしゆき
    自然の風景に関心が薄く、人間の創った[物]に対して濃い。人の[営み]の象徴としての[街角]を多く描く。営みの延長としての[食べ物]にも執着心が強く、食べ・描き・造る・・・事にも熱心。その故もあって・・・糖尿。