#20 金田駅/平成筑豊鉄道 - アクロス福岡
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駅ジェニックふくおか

#20 金田駅/平成筑豊鉄道

金田駅

石炭とセメント輸送で発展
本社と車両基地を併設


金田駅

ゆっくり&美味な列車も停車

金田駅は、田川郡福智町にある平成筑豊鉄道の駅。福智町は福岡県中北部に位置し、町中から標高901mの福智山を望むことができ、国指定伝統工芸品・上野焼(あがのやき)が知られている。
金田駅は、1893年九州鉄道の駅として開業し、1907年国鉄駅に。1989年第3セクター・平成筑豊鉄道に転換され、伊田線(直方-田川伊田)と、糸田線(金田-田川後藤寺)の分岐駅として現在に至る。かつて、同駅には2つの貨物線が存在した。ひとつは、方城炭鉱から石炭運搬のため敷設された約1kmの引き込み線で1971年に廃止。次いで、セメント輸送に使われた三井鉱山専用鉄道。金田駅と見立地区・関の山鉱山約5kmを結ぶ通称・金見線。2004年廃止後、未だに線路跡や鉄橋の遺構が残っており、廃線マニアに人気。伊田線の120年以上続く複線区間とともに、石炭・セメント輸送が華やかな頃の名残だ。
金田駅は、近くの「ふじ湯の里」と「日王の湯」がネーミングライツになっていて、乗車券や1日乗り放題切符の購入で、両温泉ほかが割引や無料の特典付き。駅舎横には平成筑豊鉄道本社があり、広大な車両基地も併設。駅構内では、団体対象で有料の「列車運転たいけん」が行われている。個人は日にち限定で、1966年製キハ2004型の運転体験ができる。ホームは駅舎側に1番線、地下通路で結ばれた島式ホームに2番・3番線があり、開業当時のレンガ造りが残存する。1日の列車発着は、伊田線34~41本、糸田線18~19本。
2019年3月から、平成筑豊鉄道初の観光列車「ことこと列車」の運行が土日祝に開始された。金田駅にも停車し、平日は車両基地で待機。2両編成の車両は、JR九州「ななつ星」などを手掛けた水戸岡鋭治氏がプロデュース。ディープレッドの美しい外観、大川組子やステンドグラスなどを取り入れた豪華な車内が特徴。”ゆっくり・おいしい・楽しい列車”をキャッチフレーズに直方駅から行橋駅まで3時間20分かけて進む。乗車日はあいにくの天気だったが、雨に煙る田畑や山々を眺めながら、美味しいフランス料理を味わえた。ぬくもりにあふれたスタッフのおもてなしも秀逸で、日本一ゆっくり、里山を行くおススメの列車だ。

(文・写真 東 淳二郎)

金田駅

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