#12 門司港駅 JR九州 - アクロス福岡
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駅ジェニックふくおか

#12 門司港駅 JR九州

門司港駅 JR九州

大正時代から続く
重要文化財の駅が
生まれ変わる


門司港駅 JR九州

3月リニューアルオープン

歴史ある駅舎として全国的に知られている門司港駅の改築工事が終了し、いよいよ3月10日にリニューアルオープンを迎える。門司港駅は1891年に九州鉄道の起点・門司駅として誕生。1901年から下関までの関門連絡船運航が始まり、多くの人たちでにぎわった。1942年には関門トンネル開通により、門司港駅に改称されている。
1914年、現在の位置に建てられた駅舎は、ドイツ人技師が手掛けたネオ・ルネッサンス様式の木造2階建てで、左右対称のデザインが特徴。木造ながら外壁はモルタル石張り風の重厚感あふれる造りで、1988年、駅では初めて国の重要文化財に指定された。駅構内にある青銅製の手水鉢(ちょうずばち)は、戦前の海外帰国者や戦後の復員、引揚者が門司に上陸して安堵の思いで喉を潤したところから"帰り水"と呼ばれていた。また、御影石を使ったトイレは、当時では珍しい水洗式だった。
しかしながら、大正時代に建てられた駅舎は老朽化が進み、2012年から、旧駅舎の特色を生かした大幅な手直し作業が始まった。2018年11月に駅舎外観が完成。天然の石盤をふき、屋根まわりの飾りも復元されている。駅舎内では、コンコース、みどりの窓口の供用が開始。3月10日のオープン時には駅前広場が整備され、駅舎1階にカフェ、2階には洋食レストランが開業することに。
現在、門司港駅は約100本の普通・快速列車が発着。朝夜には博多駅と結ぶ特急電車の設定もある。プラットホームは2面4線。始発・終着駅にふさわしい行き止まり式の長いホームは、かつて長距離列車が走っていたころの名残だ。改札口前には、九州の鉄道起点0哩(マイル)標、蒸気機関車の動輪、古い信号機が設置され、関門連絡船通路跡も残されている。駅舎横の国道を渡ると、多くの船が行き交う関門海峡で、下関と結ぶ関門汽船乗り場もある。駅正面は毎年200万人以上の観光客が訪れる門司港レトロ地区。古老駅舎がよみがえることで、なお一層の人たちが訪れることになるだろう。

(文・写真 東 淳二郎)

門司港駅 JR九州

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