山本作兵衛コレクション <前> - 目指せ!世界遺産 - アクロス福岡
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目指せ!世界遺産

山本作兵衛コレクション
<前>

伊田竪坑櫓と二本煙突
▲伊田竪坑櫓と二本煙突

世界に認められた炭都・田川の歴史的意義

2011年、筑豊の炭坑の様子を絵と文書で記した「山本作兵衛コレクション」が、国内初の世界記憶遺産に登録されました。当初、田川市では旧三井田川鉱業所の伊田竪坑櫓など筑豊炭田を代表する建造物を、「九州・山口の近代化産業遺産群」の構成資産として世界文化遺産への登録を目指していました。 しかし、関連資料として紹介した山本作兵衛氏の炭坑記録画が海外の専門家に高く評価され、“記録文書の世界遺産”=“世界記憶遺産”への登録を目指すことに。2010年、田川市と福岡県立大学の共同提案でユネスコ本部に推薦書を送付し、翌年5月25日に登録されました。炭都・田川の歴史的意義が世界に認められた瞬間です。

世界が共有すべき人類の財産

豊富な石炭を埋蔵する遠賀川流域一円は「筑豊炭田」と呼ばれ、明治~昭和時代に国内最大の出炭量を誇りました。1892年に嘉麻郡笠松村鶴三緒(つるみお)(現・飯塚市)に生まれた山本作兵衛氏は、1899年に上三緒炭坑に移住。7歳から炭坑と関わり、約半世紀にわたって炭坑労働者として働きました。その後“炭坑の記録を残したい”との想いから、亡くなる直前の1984年まで自らの体験をもとに記録画を描き続けました。世界記憶遺産に登録されたのは1958~1963年に描いた墨画、1964~1967年に描いた水彩画など697点。社会集団が共有する記憶=コレクティブメモリーが見出されるとされ、世界が共有すべき価値をもつ人類の財産として高く評価されています。

次号はその「山本作兵衛コレクション」から炭坑記録画を紹介します。

  • 田川市石炭・歴史博物館
    田川市大字伊田2734番地1
    アクセス
    JR日田彦山線・平成筑豊鉄道「田川伊田」駅より徒歩8分
    見学
    9:30~17:30(入館は17:00まで)
    お問い合わせ
    TEL:0947-44-5745
  • 立ち寄りスポット
    羊羹 黒ダイヤ・白ダイヤ
    羊羹 黒ダイヤ・白ダイヤ
    名物の「田川饅頭」や「福おかし」のほか、四季折々の和菓子を販売。石炭に見立てた羊羹・「黒ダイヤ」、香春岳の石灰石をイメージした「白ダイヤ」(各365円~)は筑豊を代表する銘菓として知られる。
    亀屋延永伊田駅前
    場所:田川市伊田町14-17 営業時間:9:00~19:00
    休み:第3木曜日 お問合わせ:0947-44-2843
石炭・歴史博物館
▲山本作兵衛氏の絵画を展示する田川市石炭・歴史博物館
山本作兵衛氏
▲山本作兵衛氏
(橋本正勝氏撮影)
館内では炭坑の様子を再現
▲館内では炭坑の様子を再現
企画展も随時開催する
▲企画展も随時開催する